「面白そう」、「将来のために」、「高収入を得たい」などの思いから、プログラミングに興味のある人は多いようです。
しかし一方で、たくさんあるプログラミング言語の「どれ」を学べばいいのか、「どうやって」学べばいいのかが分からず困っていませんか?
本記事では、用途や特徴別に学ぶべきおすすめのプログラミング言語を紹介するとともに、プログラミング言語の学習法についても分かりやすく解説します。
読むことで、学びたいプログラミング言語の絞り込みや、学習法のイメージの参考になれば幸いです。
- HTML・CSS
- JavaScript
- PHP
- Ruby
- Python
- R
- Java
- C#
- Go
- Swift
- Kotlin
用途・特徴別プログラミング言語紹介~この記事でわかること
学ぶプログラミング言語を決める際には、用途や特徴から絞ると決めやすくなっています。
そこで、まずは本記事を読むことで分かることをはじめに確認します。
- Webエンジニア・Webデザイナーにおすすめの4つの言語(初心者おすすめあり)
- AIエンジニア・データサイエンティストにメジャーな2つの言語
- アプリケーション・ゲーム開発などでメジャーな3つの言語
- スマホアプリ開発をするなら習得したい2つの言語
- プログラミング言語の学習法
本記事では、目指す先としてニーズの高い「Webエンジニア・Webデザイナー」、「AIエンジニア・データサイエンティスト」、「アプリケーション・ゲーム開発」、「スマホアプリ開発」それぞれで、身に付けておきたいプログラミング言語を複数、特徴を交えて紹介します。
記事を読みながら、なにを目指したいのかをイメージし、その後言語の特徴を確認して「興味」や「身に付けやすさ」などから学ぶ言語を絞り込むとよいでしょう。
なお、最後にプログラミング言語の学習法も解説していますので、合わせて確認してください。
【初心者おすすめあり】Webエンジニア・Webデザイナーが習得したい言語
まず、Webエンジニア・Webデザイナーが習得したい言語は「HTML・CSS」、「JavaScript」、「PHP」、「Ruby」の4つです。
中でもHTML・CSSとJavaScriptは、初心者が学びやすいおすすめの言語となっています。
- HTML・CSS【初心者おすすめ】
- JavaScript【初心者おすすめ】
- PHP
- Ruby
HTML・CSS【初心者おすすめ】
HTMLとCSSは、知らないとWebサイトを作る・編集することができないので、Webエンジニア・Webデザイナーを目指すなら習得は必須ともいえる言語です。
HTMLとCSSでできることと特徴は、次の通りです。
言語 | HTML | CSS |
---|---|---|
できること | Webサイトの構造・内容を記述する | Webページの見た目を整える |
特徴 | ・Web系には必須 ・マークアップ言語 ・初心者でも身に付けやすい | ・Web系には必須 ・スタイルシート言語 ・初心者でも身に付けやすい |
HTMLは、「Webサイトの内容を記述するための言語」です。
例えば見出しを付ける、文章を書く、リンクを張るなどといったことでWebサイトを形作ることができます。
また、CSSは「Webページの見た目を整えるための言語」で、現在HTMLだけで作られたWebページはないといっていいほど、CSSが使われています。
どちらも、「コンピューターに処理を指示・命令する言語(プログラミング言語)」ではないですが、Web系には必須であることと、他の言語より分かりやすいことから、初心者におすすめの言語となっています。
JavaScript【初心者おすすめ】
JavaScriptも、ほとんどのWebページで使われているため、Web系のお仕事を目指すのであればぜひ身に付けておきたい言語です。
JavaScriptでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | JavaScript |
---|---|
できること | Webサイトに動きを付ける |
特徴 | ・Web系を目指すなら覚えたい言語(ほぼ必須レベル) ・スクリプト言語 ・実行環境の構築が不要 ・習得難易度は低め ・HTMLとCSSを学んだ後がおすすめ |
スクリプトとは「簡易的な」という意味で、JavaScriptの構文はシンプルです。
また、実行環境の構築は不要で学習難易度も低めなので、JavaScriptも名にもれず身に付けやすい言語となっています。
一方で、JavaScriptの習得にはHTMLやCSSの知識が必要なので、2つを身に付けた後に学習するのがおすすめです。
PHP
PHPもWebページでよく使われている人気の高い言語なので、チェックしておきたいものの一つです。
PHPでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | PHP |
---|---|
できること | Webサイトに動きを付ける |
特徴 | ・スクリプト言語 ・ネット上にたくさんの解説サイトがあり、習得難易度は低め ・サーバーサイドで動く(Javascriptはサーバー・ユーザーの両方) ・データベースと相性が良く、連携が可能 ・JavaScriptと違って外部から動きが見られない |
PHPもスクリプト言語なので構文がシンプルで、ネット上にたくさんの解説サイトもあるため、習得難易度は低めです。
JavaScriptとの違いは「どちら側で動くか?」で、JavaScriptは「ユーザーサイド(利用者側=ブラウザ)」と「サーバーサイド」の両方なのに対し、PHPは「サーバーサイド」です。
サーバーサイドで動くPHPは、ユーザーに「どのように動いているのか?」を隠すことができるというメリットがあります。
また、PHPはデータベースとの相性が良く、データベースへのデータの受け渡しやサーバー上でのデータ加工・内部処理ができるといった特徴があります。
Web系のお仕事をするのであれば、PHPを習得することでできることの幅が広がり、高単価な案件をこなすことができるようになるため、覚えておきたい言語の一つになります。
Ruby
Rubyは、日本人が作り1995年に一般公開された最近よく耳にするプログラミング言語です。
Rubyでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Ruby |
---|---|
できること | ・Webサイト制作 ・Webアプリ開発 ・Androidスマホアプリ開発 |
特徴 | ・スクリプト言語で文法が分かりやすくコードがシンプル ・習得難易度は低め ・「Ruby on Rails」活用で、Webアプリ開発の手間を省ける ・日本語の解説サイトが多い |
また、スクリプト言語で文法が分かりやすくコードがシンプルなので、初心者でも学びやすいのが特徴です。
Rubyは、フレームワークである「Ruby on Rails」を活用すればWebアプリ作成の手間が省け、効率的な開発が可能なのも、人気が高い理由の一つです。
さらに、Rubyは日本発のプログラミング言語であることから日本語の解説サイトが多いため、分からないことを素早く調べることもできるのもうれしい特徴です。
AIエンジニア・データサイエンティストにメジャーな言語
将来、AIエンジニア・データサイエンティストを目指すのであれば、メジャーな言語の「Python」と「R言語」の習得がおすすめです。
- Python
- R
Python
Pythonは、AIを始めとする様々な分野で活用されている、「習得のしやすさ」、「汎用性の高さ」などから今とても人気の言語です。
Pythonでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Python |
---|---|
できること | ・AI開発 ・データ分析 ・Android、iOSでのモバイルアプリ開発 ・Webアプリ開発 |
特徴 | ・コードがシンプルで学びやすい ・誰が作っても同じコードになる ・できることが多く汎用性が高い ・求人やニーズが高い ・豊富なライブラリで開発が楽 |
コードがシンプルで誰が作っても同じコードになるため学びやすく、他の人の作ったコードの意図も読み取りやすいです。
また、ライブラリが豊富で、活用すれば一からコードを書く必要がないので、開発がとても楽なのも特徴です。
現在特に注目されているAIエンジニアやデータサイエンティストを目指すのであれば、Pythonの習得は必須と言えます。
R
R言語は、データサイエンティストを目指すのであればぜひ身に付けておきたい言語です。
R言語でできることと特徴は、次の通りです。
項目 | R言語 |
---|---|
できること | 短いコードで統計処理~グラフ出力ができる |
特徴 | ・統計解析に特化した言語 ・Pythonのような汎用性はない ・コード自体の難易度は高くない ・統計の知識も必要なため、習得難易度は低くない |
コード自体の難易度は高くないのですが、使いこなすには統計に関する知識も必要なので、数学や統計が得意でない人には難しい部類に入るかもしれません。
R言語でできることはPythonでもできますが、データ解析やグラフ化などはR言語を使った方がとても簡単なため、データサイエンティストを目指すのであれば習得したいのがR言語です。
アプリケーション・ゲーム開発などでメジャーな言語
もし、アプリケーション開発やゲーム開発をしたい場合には、「Java」、「C#」、「Go」がメジャーでおすすめです。
- Java
- C#
- Go
Java
Javaは、Googleが開発に利用する三大言語の中の一つで、歴史が長くニーズや人気が安定して高い言語です。
Javaでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Java |
---|---|
できること | ・Webアプリ開発 ・Android用スマホアプリ開発 ・ゲーム開発 ・業務システム開発 ・家電の組み込みソフトウェア開発 |
特徴 | ・実行環境の自由度が高く、書いたコードがほとんどのコンピュータで使える ・処理速度が速く安定性が高い ・歴史が長く、人気やニーズが高い ・コーディングのルールが厳しく難しい記述が多いため、習得難易度は高め |
また、処理速度が速く安定性も高いので、習得した人材へのニーズや人気が高いのも良い点です。
ただ、コーディングのルールが厳しい、難しい記述が多いなどで、習得までの難易度は高めな言語となっています。
一方で、Javaはさまざまなプログラミング言語の基礎にもなっているため、習得すれば他の言語も理解しやすくなるのは魅力です。
C#
C#は、MicroSoft社が開発した、C系言語とJavaの良いところを取り込んだ言語です。
C#でできることと特徴は、次の通りです。
項目 | C# |
---|---|
できること | ・業務用アプリ ・Webアプリ開発 ・AndroidやiOSのスマホアプリ開発 ・GUIアプリ開発 ・ゲーム開発(ARやVR含む) |
特徴 | ・Windowsとの相性がいい ・統合開発環境「Visual Studio」で直感的な開発が可能 ・言語機能が豊富 ・20年以上の長い歴史がある ・ライブラリが豊富 ・難易度はJavaと同程度で高め |
C#はWindowsとの相性が良く、Windowsのシェアの広さからニーズが高いのも良い点です。
また、C#は統合開発環境の「Visual Studio」が使えて直感的に開発ができるとともに、言語機能も「統合言語クエリ」や「簡略記法」を用いることができるなどで優れています。
さらに、20年以上の長い歴史からライブラリや関連の書籍、解説サイトが豊富で、開発効率がいい・学びやすいといった点はありますが、一方で難易度はJavaと同程度で高めです。
Go
Goは、Googleが2009年に開発した、今人気が急上昇中の言語です。
Goでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Go |
---|---|
できること | ・Webアプリ開発 ・AndroidやiOSのスマホアプリ開発 ・ドローンやロボット開発 |
特徴 | ・コードがシンプルで分かりやすい ・例外処理や継承などの機能がない ・処理速度が速く安定性が高い ・C言語やJavaに似たコード ・ライブラリが豊富 |
コードがシンプルで分かりやすく書きやすい反面、例外処理(エラー処理)や継承などの他の言語にある機能を省いているといった特徴もあります。
また、Go言語は処理速度が速く安定性も高いため、開発言語として採用する企業が増えてきています。
さらに、Go言語はライブラリも豊富なので効率よく開発できるのも良い点です。
Go言語はC#やJavaに似ていますが、これら2つの言語りも習得難易度は低いため、まずはGo言語を学んでからJavaやC#を学ぶというのも方法の一つです。
スマホアプリ開発をするなら習得したい言語
スマホアプリ開発を目指すなら、言語は「Swift」と「Kotlin」の2つがおすすめです。
- Swift
- Kotlin
Swift
Swiftは、Apple社が2014年に発表した比較的新しい言語です。
Swiftでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Swift |
---|---|
できること | ・iOSアプリ開発 ・WebアプリやWebサービス開発 |
特徴 | ・コードが読みやすく書きやすい ・開発環境の構築が不要 ・初心者でも学びやすい ・動作確認がリアルタイムでできる ・実行スピードが速く不具合が起こりにくい |
Swiftは、iPhoneやiPad、MacなどのiOS用アプリ開発でよく使われる言語ですが、Webアプリ開発もできます。
コードが読みやすくて書きやすく、環境構築も不要なので、初心者でも学びやすい言語となっています。
また、動作確認がリアルタイムででき、実行スピードが速く不具合も起こりにくいので、近年人気が出てきているのも特徴です。
iOSは日本で人気のため、スマホアプリ開発をしたいのであればSwiftを学んでおきたいところです。
Kotlin
Kotlinは、2011年に開発され、2017年にAndroid公式開発言語に追加されたプログラミング言語です。
Kotlinでできることと特徴は、次の通りです。
項目 | Kotlin |
---|---|
できること | ・Androidアプリ開発 ・WebアプリやWebサービス開発 |
特徴 | ・コードが簡潔 ・不具合になるコードが書きづらい文法 ・Javaからの移行がしやすい ・初心者でも学びやすい |
コードが簡潔で不具合になる書き方を未然に防いでくれる文法になっているため、初心者でも学びやすいのが特徴です。
Kotlinは、Javaとの相互利用ができ、例えば元の部分はJavaで、これから追加・修正する部分はKotlinでコードを書く、といったことができます。
Kotlinは、AndroidOS用アプリ開発での主流のため、アプリ開発を目指すのであれば修得しておきたい言語ですね。
プログラミング言語の学習法
最後に、プログラミング言語のおすすめの学習法についてです。
効率的に、自分に合ったプログラミング言語を習得するためには、あらかじめ次のことを押さえておきましょう。
- 言語の特徴を押さえる~いくつかの言語を並行してもOK
- ひとつの言語を習得する
- 学習プラットフォームや月額制プログラミングスクールを活用する
- コンピューターサイエンスを並行して学べればなお良し
言語の特徴を押さえる~いくつかの言語を並行してもOK
プログラミング言語を学ぶ場合には、まず「言語の特徴を押さえる」ことが大事です。
言語の特徴を押さえることで、「自分のやりたいこと」や「今後の方向性」に合った言語をピックアップするのです。
一口にプログラミング言語といっても、よく使われるものだけで50前後はあると言われています。
「なんとなくよく聞くから」などといった理由ではなく、「プログラミングでどんなことをしたいのか?」、「将来どのような仕事に就きたいのか?」といった視点から、言語の特徴と照らし合わせて自分が学ぶべき言語を絞り込みましょう。
時間や費用、労力をかけて習得した後で、あまり使わない、やりたいことと違ったとならないためにも、このファーストステップがとても重要です。
ひとつの言語を習得する
次に大事なのは、「ひとつの言語を習得する」ことです。
これは、「『広く浅く』ではなく『狭くても深く』」という意味で、「ひとつの言語しか覚えない」という意味ではありません。
習得した言語がひとつであっても、スキルレベルが高ければ人材としてのニーズがあります。
反対に、知っている言語がたくさんあってもできるレベルが低ければ採用してくれる企業はとても少ないでしょう。
また、プログラミング言語はそれぞれ全く別物ではなく、考え方やコードの書き方などに似たところがあります。
そのため言語をひとつ極めれば、他の言語を学ぶ際に理解しやすくなり、挫折することが少なくなります。
ですから学ぶ際には、まずは「ひとつの言語を習得する」学習をしましょう。
学習プラットフォームや月額制プログラミングスクールを活用する
次に押さえておきたいのが、「学習プラットフォームや月額制プログラミングスクールの活用も視野に入れる」ことです。
プログラミング言語の学習は挫折率が90%以上とも言われており、挫折しないためにはモチベーションの持続と成長の実感が必要です。
独学での学習はこの2つを継続的に満たすことが難しいため、途中でやめてしまう危険性が高いのです。
学習プラットフォームや月額制プログラミングスクールの利用は、もちろん費用が掛かりますが、その分「講義が分かりやすく質問ができる」ことと「充実したサポートを受けられる」のがメリットで、これが「モチベーションの持続」と「成長の実感」に繋がります。
なにがなんでもプログラミング言語を身に付けたいと思うのであれば、これらの利用を検討するのがいいでしょう。
コンピューターサイエンスを並行して学べればなお良し
プログラミング言語を学ぶ上でもう一つ押さえておきたいのが、「コンピューターサイエンスを並行して学べればなお良し」なことです。
コンピューターサイエンスとは、「やりたいことをコンピューターを使ってできるようになるために必要なことを学ぶ学問」で、例えば情報処理や計算、電気系の理論やデータ構造、プログラミングといったことを学びます。
つまり、「プログラミングはコンピューターサイエンスで学ぶ分野の一部」なのです。
そして、もう一段階視野の広い「コンピューターサイエンス」を学べると、できることの幅が格段に違ってきて就職にも有利になります。
ですから、プログラミング言語だけでなくコンピューターサイエンスも学ぶことが重要なのです。
おすすめのプログラミング言語と学習法まとめ
以上、用途や特徴別に学ぶべきおすすめのプログラミング言語を紹介するとともに、プログラミング言語の学習法についても分かりやすく解説しました。
- Web系は「HTML・CSS」、「JavaScript」、「PHP」、「Ruby」
- AIエンジニア・データサイエンティストは「Python」、「R」
- アプリ・ゲーム開発は「Java」、「C#」、「Go」
- スマホアプリ開発は「Swift」、「Kotlin」
- 言語ごとの特徴を押さえ、ひとつの言語を習得する
- 学習プラットフォームやスクールの活用も視野に
- コンピューターサイエンスも学習しよう!
どのプログラミング言語を学ぶべきかは、用途や言語の特徴が自分の将来の方向性やイメージに合うかによって変わります。
言語選びは、プログラミング言語を学ぶ上でのスタート地点で、ここで間違えてしまうとプログラミング言語学習自体が誤った方向に行ってしまいます。
自分が将来なにをしたいのかを考えながら、言語に対するニーズや身に付けやすさを考慮に入れて、自分に最も合った言語をピックアップしましょう。
これだけでも、途中で挫折してしまうリスクをグッと減らすことができるようになりますよ。