英語学習で多くの人がつまずくのが「リスニング」。
一生懸命リスニング学習に取り組んでいるのに、「聞き取れない」「速すぎて理解できない」と悩む人は少なくありません。
しかし以下「リスニング力向上のポイント」をおさえ、正しい勉強法でトレーニングを続ければ必ず英語が聞こえるようになります。
英語リスニングの間違った勉強法は以下の通りです。
- 日本語訳ばかりに頼る
- 聞き流しだけ
- 難しすぎる教材から始める
- 一度でわからないと諦める
また、レベル別にリスニング力を上げる勉強方法も解説しています。

※本記事の価格は全て税込みです。
英語リスニングの間違った勉強法は?
間違った方法でリスニングトレーニングをしても、なかなか英語は聞き取れるようになりません。
特に以下4つは、初心者がつまずきやすいポイントです。
- 日本語訳ばかりに頼る
- 聞き流しだけ
- 難しすぎる教材から始める
- 一度でわからないと諦める
日本語訳ばかりに頼る
リスニングをするときに、すぐに日本語に置き換えて理解しようとするのは大きな落とし穴です。
例えば以下の英文が流れてきたとします。
これを日本語の語順で訳そうとすると、以下のような順番になります。
I(私(は))
when I was a child (子供のとき)
I used to play (よく遊んだ)
to the park (公園へ)
went (行った)
日本語の語順になおしてから理解しようとすると、ほぼ後ろから前へ戻る必要があるのがわかりますね。
このやり方で英語を聞き取ろうとすると、理解スピードが遅くなり英文のスピードについていけなくなるもの。
聞き流しに頼るだけ
「英語をBGMのように流しておけば自然と身につく」と考える人も多いですが、実際には効果が限られます。
集中せずにただ流しているだけでは、英語の音は耳に入っても意味として定着しません。
例えばタガログ語の文章を延々と聞かされても、単語や意味を知らなければただの雑音にしかならず、いくら聞いても聞き取れるようにはならないでしょう。
英語も同じで、基本的な単語やフレーズを学び、それと音を結びつけてはじめて理解できるようになります。
難しすぎる教材から始める
リスニング学習を頑張っているのに、いまいち効果が出ない・・・・・・。
そんな人は教材選びから間違っていることが多いです。
- 映画やドラマでリスニング学習をする
- 興味のない分野の教材でリスニング学習をする
- 学習目的に合っていない教材でリスニング学習をする
リスニング初心者がよくやってしまう失敗の1つが、いきなり映画やニュースを使って勉強を始めること。
映画やドラマにはスラングが多く、加えて効果音や早口のセリフで聞き取りが難しいものです。
また仮にレベルが合っていたとしても、興味のない分野の音源はモチベーションがあがらず挫折の原因にもなります。
さらに「レストランでのスムーズな接客」が英語学習の目的なのに一般的な英会話教材を使ってしまうと、接客特有のフレーズを集中的に学べずリスニング学習の効果は上がりづらいです。
一度でわからないと諦める
リスニング学習では、一度聞いただけで理解できなくても落ち込む必要はありません。
英語は発音がつながったり省略されたりするため、最初からすべてを聞き取るのは難しいものです。
大切なのは繰り返し聞いて理解を深めること。
スクリプトを確認しながら、どの部分を聞き逃したのかを意識してチェックすると、音と意味が結びつきやすくなります。
英語のリスニング力を上げるための方法は?
リスニング力を伸ばすには、毎日の習慣や教材選びがカギです。
次のような方法を取り入れてみましょう。
- 毎日少しずつでも英語を聞く
- 単語・文法学習に並行して取り組む
- 自分に合った教材を選ぶ
- 聞いた内容をアウトプットする
それぞれについて詳しく解説します。
毎日少しずつでも英語を聞く
Vlach&Sandhoferが2012年に発表した研究では、学習効果について以下のように結論付けています。
参考:Distributing Learning Over Time
リスニング力向上も同じで、長時間まとめて勉強するよりも「短時間でも反復して学習すること」が大切です。
また無理に長時間やろうとすると疲れて挫折しがちですが、短時間なら気軽に取り組みやすいもの。
通勤や家事の合間の5分をこまめにリスニング学習の時間にあてることを心がけ、学習の習慣化を目指しましょう。
単語・文法学習に並行して取り組む
リスニング力を伸ばすためには、単語や文法の学習が欠かせません。
なぜなら語彙や文法はすべての英語技能の土台であり、知識が不足していると音を正しく聞き取れても意味が理解できないからです。
例えば知らない単語ばかりの音声や、文法が複雑な文章を耳にしても内容を把握するのは困難です。
逆に基本的な語彙と文法が身についていれば、聞き取れる情報がぐんと増え、学習効果が高まります。
自分に合った教材を選ぶ
自分に合った教材でリスニング学習をすることで、効果的にリスニング力を向上させることができます。
- スクリプトがあるものを選ぶ
- レベルに合ったものを選ぶ
- 興味・目的に合ったものを選ぶ
スクリプトがあるものを選ぶ
スクリプト付きの教材は、聞き取れなかった部分を確認できるため特に初心者に有効です。
文字と音声を照らし合わせることで「自分がどこでつまずいたのか」が明確になり、効率的に弱点を克服できます。
レベルに合ったものを選ぶ
レベルは「一度聞いておおまかな内容が理解できる」ものがおすすめです。
難しすぎると挫折しやすく、簡単すぎると学習効果が薄くなってしまいますが、このレベルであれば適切な負荷がかかりリスニング力アップに効果を発揮します。
興味・目的に合ったものを選ぶ
興味や目的に合った教材を選ぶことも大切です。
モチベーションを維持しやすくなります。
また映画が好きなら映画教材、試験対策が必要ならTOEIC用教材など、目的に直結したリスニング教材を選ぶことで、より効率的にリスニング力を向上させることができます。
聞いた内容をアウトプットする
リスニング後には、ただ聞きっぱなしにせずアウトプットすることが大切です。
音声をまねして声に出したり書き取ってみたりすることで、自分がどこを聞き逃したのか、どの表現が理解できなかったのかが明確になります。
また、声に出す練習は発音やリズムの定着にもつながり、書き取りは細かい音の違いに気づくきっかけになるもの。
【レベル別】英語のリスニング力を上げるための勉強方法は?
学習の段階ごとに効果的な方法を選ぶことが大切です。
ここでは初心者・中級者・上級者向けに紹介します。
初心者におすすめの勉強法:リピーティング
まずは短いフレーズを正確に聞き取れるようになることが大切です。
そのためにおすすめなのがリピーティング(英語の音声を一文ずつ聞き、すぐに繰り返して発声する学習法)です。
- 基本的な単語やフレーズの聞き取りに慣れる
- 正しい発音やイントネーションを身につける
- 英語の音と意味を結び付けやすくなる
基本的な単語やフレーズの聞き取りに慣れる
短い文を区切って聞きそのまま声に出すことで、英語の音に慣れることができます。
初心者でも無理なく取り組みやすく、続けることで聞き取れる単語や表現が少しずつ増えていきます。
正しい発音やイントネーションを身につける
音声を真似して声に出すため、正しい発音やイントネーションが自然と身につきます。
正しい発音ができると耳で聞くときも理解しやすくなり、リスニング力向上にもつながります。
英語の音と意味を結び付けやすくなる
聞こえた音をすぐに口に出す練習を繰り返すことで、単語やフレーズの音と意味が頭の中でつながりやすくなり、理解のスピードも向上します。
中級者におすすめの勉強法:シャドーイング
基本的なフレーズが聞き取れるようになってきたら、次は会話スピードに慣れる段階です。
シャドーイング(英語の音を聞きながら、そのすぐ後を追いかけるように発音するトレーニング法)を英語学習に取り入れましょう。
- 英語特有のリズムやスピードに慣れる
- 発音やイントネーションの改善
- 英語を英語の語順で理解する力がつく
英語特有の音声変化やリズムに慣れる
シャドーイングでは、音・単語(フレーズ)・意味を結び付けながら発声していきます。
これを繰り返すことで英語特有の音の変化やリズムに慣れることができ、ネイティブの早い会話スピードにも対応しやすくなります。
発音やイントネーションの改善
聞こえた音をそっくり真似して声に出すため、自然と発音やイントネーションが矯正されます。
英語を英語の語順で理解する力がつく
日本語に訳さず、聞こえたままを追いかける練習になるため、英語を英語の語順で処理する力が鍛えられます。
上級者におすすめの勉強法:要約・ディスカッション
速い英語が聞き取れるようになったら、次は「聞いた内容をどれだけ正確に理解できているか」を確認する段階です。
そのために効果的なのが 要約(サマライジング)やディスカッション です。
聞いた内容を自分の言葉でまとめたり意見交換したりすることで、表面的な理解ではなく深いレベルでのリスニング理解が養われます。
- 理解した内容を整理し直す力がつく
- 実践的な会話力を鍛えられる
- 多様な英語表現や思考力が身につく
理解した内容を整理し直す力がつく
リスニング後に聞いた内容を短くまとめることで、情報を取捨選択しながら理解を深める力がつきます。
実践的な会話力を鍛えられる
ディスカッションでは相手の発言を理解しつつ、自分の意見を英語で返す練習になります。
リスニングで得た情報を瞬時に整理し、次の発言につなげる力が自然と鍛えられます。
多様な英語表現や思考力が身につく
要約や議論を繰り返すことで、語彙や表現の幅が広がるだけでなく、英語で物事を考える力も養われます。
英語のリスニング学習についてよくある質問
最後にリスニング学習でよくある質問を確認しましょう。
英語のリスニングはどれくらいで効果が出ますか?
リスニングの効果が出るまでの期間は人によって異なりますが、毎日10分~15分でも継続して取り組めば、3か月ほどで「聞き取れる単語やフレーズ」が増えてきます。
以下のポイントをおさえながら継続することを心がけましょう。
- 毎日英語の音に触れる
- 完璧に理解しようとせず、聞き取れた部分を少しずつ増やす
- 継続する
聞き流しは英語のリスニング力向上に意味がありますか?
聞き流しは「英語の音に慣れる」効果はあるものの、それだけでリスニング力が大きく伸びることはありません。
英語を理解するには集中して聞く練習が欠かせないからです。
例えば、同じ音声を何度も繰り返し聞いたり、スクリプトを確認して聞き取れなかった部分を見直したりすることが必要です。
映画で勉強するのは効果的ですか?
映画やドラマを使ったリスニング学習は自然な会話や文化的な表現に触れられる一方で、初心者には難しい場合があります。
どんな人に向いているか、そうでないかを整理すると次のようになります。
映画学習がおすすめな人 | 映画学習をおすすめできない人 |
---|---|
・基礎的な語彙・文法が身についている人 ・スクリプトや字幕を活用できる人 ・海外文化や自然な会話表現に興味がある人 | ・まだ基礎的な単語や文法が定着していない人 ・英語字幕やスクリプトに抵抗がある人 ・まずは試験対策など明確な目標が優先の人 |
映画での学習は、モチベーション維持や生きた表現を学ぶ点で効果的ですが、基礎固めを終えてから挑戦する方が挫折せずに続けられます。
リスニングを勉強するとスピーキングも同時に伸ばせますか?
はい、同時に伸ばすことが可能です。
リスニングで聞いた音をそのまま口に出す「音読」や「シャドーイング」を取り入れることで、聞き取りと発話の両方を鍛えられます。
- 音をまねて発声することで発音やイントネーションが改善
- 聞き取れる音が増えることで会話理解がスムーズになる
- 瞬時に返答できる反応力も身につく
リスニングとスピーキングを同時に鍛えることで、会話力全体がバランスよく向上していきます。
効率的にリスニング力を向上させる方法まとめ
- 正しい学習方法を選ぶ
- 適切なリスニング教材でトレーニングする
- 毎日のリスニング学習を習慣化する
- レベルに合ったトレーニング方法を用いる
リスニング力を伸ばすには、まず間違った勉強法を避け、正しい方法・教材を選ぶことが大切です。
そのうえで、スクリプト付きの教材や目的に合った音源を使い、日々の生活の中で少しずつ耳を英語に慣らしていきましょう。
また、学習効果を最大化するには自分のレベルに合ったトレーニングが欠かせません。
初心者はリピーティング、中級者はシャドーイング、上級者は要約やディスカッションといった方法を取り入れると、無理なくステップアップできます。