この記事では、auの衛星通信サービス「au Starlink Direct」について、使い方や注意事項を詳しく解説します。
au Starlink Directは2025年4月10日に提供開始が発表されました。
現状ではテキストメッセージや位置情報の共有など限られた機能ですが、これまで圏外になっていた場所でも通信できるようになります。
auユーザーの人もこれから乗り換える人も、本記事を参考にau Starlink Directをぜひ試してみてください。
登山やキャンプに行く人は、万が一の時の連絡用に便利になりますね。
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au Starlink Directとは
画像引用元:ずっと、もっと、つなぐぞ。 | au
まずは、au Starlink Directがどんなサービスなのかチェックしましょう。
au Starlink Directは、auスマホとSpaceX社のStarlink衛星が直接つながることで、山間部や海上などこれまで圏外だった場所でもテキストメッセージや位置情報が使えるサービスです。
auユーザーなら申し込み不要で、当面は月額料金も無料で利用できます。
従来の4G/5G通信ではカバーできない場所でも空が見えれば連絡できるようになるので、auを利用しているなら使える状態にして損しないサービスと考えていいでしょう。
日本国内の実質通信圏の概要
auの提供エリアは人口カバー率で見ると約99%もあり、人が生活するエリアではほぼ問題なく通信できる状況となっています。
しかし、日本の面積に対するカバー率(面積カバー率)では、まだ60%程度のカバー率しかありません。
つまり、人が住んでいる場所ならほぼauのエリア内ですが、あまり人が住んでいない場所はまだまだ圏外が多いということです。
- 登山道や山頂付近
- キャンプ場
- 海上・船の上
- 住民が少ない・いない離島
登山・キャンプをすることが多い人は、ワークアウト中に全然スマホが繋がらなくなる経験があるのではないでしょうか。
au Starlink Directを使えば、現状auが圏外の場所でもテキストメッセージや位置情報が送れるようになります。
日本は国土の約7割が山地で離島も多いため、物理的にも費用的にもすべてのエリアに基地局が設置できないのが原因ですね。
参考:総務省「令和6年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果について」
au Starlink Directの仕組み
画像引用元:ずっと、もっと、つなぐぞ。 | au
au Starlink Directは、SpaceX社の低軌道衛星「Starlink」とauのスマホが直接通信できるサービスです。
具体的には、auユーザーがau基地局のエリア外に出ると、スマホが自動的にStarlink衛星からの電波を探して接続を試みます。
Starlink衛星との通信はauの周波数を流用しているため、対応機種なら外付けアンテナなどの追加機器も不要です。
ただ、auのすべての通信が使えるわけではなく、できること・できないことがあるので注意しましょう。
- テキストメッセージの送受信(SMS/RCS/iMessage)
- 現在地の位置情報共有
- AIチャット機能
- 緊急地震速報や津波警報の一部
- 音声通話の発着信
- データ通信
- 画像や動画などの送受信
- メッセージアプリのスタンプや音声メッセージなど
なお、2025年5月現在は対応機種が50機種あり、販売中のスマホは原則としてau Starlink Directに対応しています。
au Starlink Direct申し込み方法
続いて、au Starlink Directの申し込み方法をみていきましょう。
結論からお伝えすると、au Stralink Directは申し込み不要で利用できるサービスです。
auユーザーで対応機種を使っていれば、利用開始の設定をするだけで、すぐに使い始められます。
申し込み不要
au Starlink Directは、auのスマホを利用していれば個人名義でも法人名義でも申し込み不要です。
月額料金やメッセージの送受信料についても、当面の間は無料となっています。
ただし、2025年5月現在はau回線の契約者のみ利用可能です。UQモバイルやpovoの人はau Starlink Directを利用できないことに注意しましょう。
au回線で後述する対応機種を利用中なら、利用設定するだけでau Starlink Directの利用開始できます。
auユーザーで対応機種さえ持っていれば、追加費用なしで圏外での通信手段が増えるのは嬉しいポイントですね。
iPhoneでの利用方法
iPhoneでau Starlink Directを利用するには、基本的に3つのステップだけでOKです。
普段からOSを最新に保っている人は、設定で衛星通信がONになっているか確認するだけで済むかもしれません。
- iOSを最新バージョンにアップデート
- 衛星通信をオンにする
- (衛星通信が表示されない場合)キャリア設定をアップデート
-
STEP.iOSを最新バージョンにアップデート
iPhoneの設定アプリを開き、「一般」>「ソフトウェアアップデート」と進んで、利用可能な最新のiOSにアップデートしてください。
iOSが古いバージョンだと、衛星通信が表示されず設定できない場合があります。
-
STEP.衛星通信をオンにする
設定アプリで「モバイル通信」>「モバイルデータ通信のオプション」と進み、「衛星通信」をオンにしましょう。
もし「衛星通信」の項目が表示されない場合は、次の手順でキャリア設定をアップデートしてください。
※デュアルSIMでiPhoneを利用している場合は、「モバイルデータ通信のオプション」は表示されません。au回線の電話番号をタップしてください。
-
STEP.(衛星通信が表示されない場合)キャリア設定をアップデート
上記の手順2で「衛星通信」の項目が表示されない場合は、キャリア設定をアップデートしましょう。
アップデートがある場合、「設定 → 一般 → 情報」と進んで「アップデート」をタップすればOKです。
アップデートはほぼ一瞬で終わるので、その後に改めて衛星通信をオンにしてください。
-
終了
iPhoneでau Starlink Directを利用する設定は以上で完了です。
auの5G/4Gエリア外で空が見える場所に行くと、画面右上の「4G」「5G」の代わりに「衛星」と表示されるようになります。
au Starlink Directでメッセージを送受信するには、iPhone標準の「メッセージ」アプリが必要です。
削除してしまった場合はApp Storeから再ダウンロードしておきましょう。
Androidでの利用方法
Androidスマホでau Starlink Directを利用するには、OSのアップデートや対応するメッセージアプリにデフォルトSMSアプリを変更するなど、iPhoneより少し手順が多くなっています。
特に+メッセージを利用している場合は事前に初期化が必要になるため注意が必要ですね。
※+メッセージを初期化してもメッセージ履歴は残ります。詳しくはこちら。
Androidスマホでの利用開始手順は以下の通りです。
- 最新OSにアップデート
- デフォルトSMSアプリにGoogleメッセージを設定
- GoogleメッセージのRCSチャットをオン
- データローミングをオン
-
STEP.最新OSにアップデート
まずはAndroidを最新バージョンにアップデートしましょう。
アップデート手順は機種により異なりますが、例えばPixel 8なら設定 → システム → ソフトウェアアップデートから実行できます。
-
STEP.デフォルトSMSアプリにGoogleメッセージを設定
-
STEP.GoogleメッセージのRCSチャットをオン
Googleメッセージを開き、画面右上のアイコン → メッセージの設定 → RCSチャットとタップしましょう。
RCSチャットをオンにすると電話番号の認証が行われるので、画面に沿って認証を進めればOKです。
-
STEP.データローミングをオン
ここまで設定したら、最後にau回線のデータローミングをオンにしましょう。
機種によって手順は異なりますが、Pixelシリーズならネットワークとインターネット → SIM → auとタップした画面で「ローミング」をONにすれば完了です。
-
終了
以上でAndroidスマホでau Starlink Directを使う準備は完了です。
auの5G/4Gエリア外で空が見える場所に行けば、アンテナピクトの代わりに人工衛星のアイコンが表示されます。
au Starlink Directの対応機種の条件と一覧
続いて、au Starlink Directの対応機種をみていきましょう。
au Starlink Directはすべてのauスマホで利用できるわけではありません。
2025年4月のサービス開始時点では、iPhoneとAndroid合わせて50機種以上が対応し、今後も順次拡大される予定となっています。
対応機種の条件
au Starlink Directを利用できる機種の条件は、auで対応が確認されたスマホであることです。
対応機種に明確な基準があるのかは不明ですが、auの対応確認一覧にはiPhone14やGalaxy S22など、2022年以降の比較的新しいスマホが掲載されています。
au Starlink Directを利用する際は、お使いの端末が対応機種一覧に掲載されているかしっかり確認しましょう。
auに掲載された対応機種で、OSやキャリア設定が最新版にアップデートされていれば、au Starlink Directは問題なく利用できます。
auで買ったスマホでも、対応機種一覧にないスマホは利用できません。
対応機種
2025年5月現在、au Starlink Directに対応している機種は以下の50機種です。
現在販売中のiPhone 16シリーズやGoogle Pixel 9シリーズ、Galaxy S25シリーズなども含まれています。
Apple
- iPhone16e
- iPhone16/16 Plus/16 Pro/16 Pro Max
- iPhone15/16 Plus/15 Pro/15 Pro Max
- iPhone14/14 Plus/14 Pro/14 Pro Max
- Pixel 9a
- Pixel 9/9 Pro/9 Pro XL
- Pixel 9 Pro Fold
Samsung
- Galaxy S25/S25 Ultra
- Galaxy Z Fold6/Z Flip6
- Galaxy S24/S24 Ultra/S24FE
- Galaxy A55 5G
- Galaxy A25
- Galaxy Z Fold5/Z Flip5
- Galaxy S23/S23 Ultra/S23FE
- Galaxy A54 5G
- Galaxy Z Fold4/Z Flip4
- Galaxy S22/S22 Ultra
- Galaxy A53 5G
ソニー
- Xperia 1 VI/10 VI
- Xperia 5 V/1 V/10 V
シャープ
- AQUOS sense9
- AQUOS sense8
Xiaomi
- Xiaomi 14T
- Xiaomi 13T
- Redmi Note 13Pro 5G
- Redmi 12 5G
京セラ
- TORQUE G06
上記は2025年5月時点の情報です。
対応機種は今後追加される可能性があるため、最新の情報はau公式サイトで確認するようにしましょう。

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au Starlink Direct利用条件と注意点
画像引用元:+メッセージ(プラスメッセージ) | サービス・機能 | au
au Starlink Directは非常に便利なサービスですが、いつ・どこでも衛星通信ができるわけではありません。
利用できる場所や条件がある程度決まっており、さらに利用できる通信も限られています。
au Starlink Directを利用する際は、以下の2点を注意しておきましょう。
au Starlink Directは4G/5G通信圏外、Wi-Fi圏外で空が見えることが条件
au Starlink Directの衛星通信モードに切り替わるのは、以下3つの条件が全て揃った場合のみです。
- auの5G/4G LTEエリア外
- Wi-Fiに接続していない
- 空が見える場所(衛星と通信できる場所)
普段通りauの電波が入る場所や、自宅やカフェなどWi-Fiに接続できる場所では、au Starlink Directには接続されずにauのモバイル通信やWi-Fi通信が優先されます。
auの電波もWi-Fiの電波も利用できない場所でのみ、au Starlink Directの衛星通信に切り替わります。
「空が見える」という条件も重要で、トンネル内や建物の中など、衛星からの電波が遮られる場所では衛星通信できない可能性が高いので注意してください。
なお、海上の利用可能なエリアは日本全国および海岸線から約22kmが目安のようです。
地下鉄で圏外になる場合の代替手段にはなりませんね。
au Starlink Directが使えるサービスは(あくまで緊急用のサービス)
au Starlink Directは衛星と直接通信できるとはいえ、2025年5月時点では利用できる機能が限定的です。
音声通話やデータ通信は利用できず、基本的にはテキストメッセージと一部の情報受信に限られます。
つまり、もしもの時に圏外で連絡できない状況に備えるための緊急用のサービスと考えたほうがいいでしょう。
- テキストメッセージの送受信(SMS/RCS/iMessage)
- 現在地の位置情報共有
- AIチャット機能
- 緊急地震速報や津波警報の一部
- 音声通話の発着信
- データ通信
- 画像や動画などの送受信
- メッセージアプリのスタンプや音声メッセージなど
なお、衛星モード中はお留守番サービスEXや着信転送サービス、ナンバーシェアは利用できません。
それ以外にも、天候が非常に悪い日など衛星との通信が安定しない可能性もあります。
以上のことから、au Starlink Directは圏外での最低限の連絡手段・保険として運用するほうがいいですね。
au Starlink Directの利用シーン
画像引用元:ずっと、もっと、つなぐぞ。 | au
ここまで解説した通り、au Starlink Directは、普段スマホの電波が届かないような場所でも通信できる点が最大のメリットです。
しかし、デメリットとしてはメッセージなど使える通信が限定的なため、災害発生時やアウトドア中のトラブル時の保険として利用するのが最適なシーンといえるでしょう。
大規模災害時の緊急連絡や居場所の確認
地震や台風といった大規模な自然災害が発生すると、各キャリアの基地局の停電や損傷で、スマホが非常に繋がりにくくなることがあります。
安否確認で電話やデータ通信が集中することもあり、通常の通信ではなかなか家族に連絡できないということも。
au Starlink Directは衛星と直接通信するため、自然災害の状況下でもインフラの問題で通信できなくなるリスクはありません。
また、緊急地震速報や津波警報、Jアラートといった緊急速報メールも受信できるため、避難指示などの重要な情報を得るためにも役立ちます。
日頃から防災意識を持っている人にとって、au Starlink Directは万が一の備えとして非常に心強い存在になるでしょう。
災害で孤立してしまった場合でも、外部と連絡を取れる可能性があるのは大きな安心材料ですね。
登山や海上などでのトラブル時の緊急通信(メッセージのみ)
登山中の道迷いや滑落、あるいは釣りやボートなど海上でのエンジントラブルといった場面でも、au Starlink Directは活躍に期待できます。
山頂や船上はスマホの電波が届かないエリアが多く、これまではトラブル発生時に外部と連絡が取れず困ることがありました。
しかし、au Starlink Directなら屋外にいれば、auが圏外でもテキストメッセージがどこでも利用できます。
普段から登山や海上のワークアウトをする人にとって、au Starlink Directを目当てにauに乗り換えてもいいほど優秀なサービスといっていいでしょう。
メッセージアプリ経由で現在地の位置情報が共有できるので、救助が必要な状況でも正確な場所を伝えられます。
au Starlink Directに関するよくある質問
最後に、au Starlink Directに関してよくある質問に回答します。
au Starlink Direct利用前に、ぜひ確認してください。
au Starlink Directでは、どのようなサービスですか?
au Starlink Directでは、主に次の機能が利用できます。
- テキストメッセージの送受信(SMS/RCS/iMessage)
- 現在地の位置情報共有
- AIチャット機能
- 緊急地震速報や津波警報の一部
基本的にauの圏外でもメッセージが送れて、位置情報も送信できます。
また、緊急地震速報などの緊急速報も受け取れます。
音声通話やデータ通信はできないため、基本的にワークアウト中のトラブルがあった時の保険の意味合いが強いサービスと考えていいでしょう。
au Starlink Directは有料?
au Starlink Directは、当面の間は月額利用料やSMS送受信料ともに無料で利用できます。
ただし、この無料期間がいつまで続くかは未定です。
将来的にサービスが有料化される可能性が高いため、利用する際はau公式サイトで最新情報をチェックしておいてください。
au Starlink DirectはUQモバイルやpovoの契約でも利用できますか?
残念ながら、au Starlink Directはauを契約しているユーザー限定のサービスです。
UQモバイルやpovoのユーザーは利用することができません。
今後はKDDI系列全サービスで利用できる可能性もありますが、公式発表待ちの状態です。
au Starlink Directを利用するなら、auに乗り換えましょう。
au Starlink Directでデータ通信や音声通話は利用できますか?
いいえ、au Starlink Directではデータ通信および音声通話は利用できません。
基本はauが圏外の場所でもメッセージが利用できるサービスと考えておきましょう。
なお、今後はデータ通信全般を担えるようになる可能性もありますが、現状は衛星だけでは設備が足りなすぎます。
衛星通信でデータ通信が使い放題になるのは、まだまだ先の話になりそうです。
衛星通信はauのエリア外ならどこでもつながる?
au Starlink Directが利用できるのは、日本全国および領海の「au 5G/4G LTEエリア外」かつ「Wi-Fiの通信範囲外」の場所です。
さらに、衛星からの電波を受信するために「空が見える開けた場所」である必要があります。
周囲に高い建物や山、木々などの遮蔽物があると、電波が遮られて接続できないか可能性があります。
auの圏外でも必ず繋がるわけではない点には十分に注意しましょう。
au Starlink Directは登山やキャンプをする人にはぴったりなサービス!
画像引用元:日本一高いバスターミナルをつなげ!Starlinkを活用したau 5G基地局 | KDDIトビラ
今回は、auが提供を開始した衛星通信サービス「au Starlink Direct」について解説しました。
au Starlink Directは、auの5G/4Gがエリア外の場所でもメッセージが使えるようになる衛星通信サービスです。
- auスマホとStarlink衛星が通信してauの圏外エリアをカバー
- テキストメッセージ、位置情報共有、AIチャット、緊急速報メールが利用可能
- 音声通話やデータ通信は利用不可
- auユーザーなら申し込み不要
- 当面は無料で利用できる
- 対応機種を最新OSにアプデして設定するだけで利用可能
- 利用できるのは「au圏外」「Wi-Fi範囲外」「空が見える場所」の条件を満たした時
- 災害時やアウトドアでの緊急連絡手段として非常に有用なサービス
au Starlink Directは申し込み不要で当面は無料の衛星通信サービスです。
テキストメッセージ中心ですが、登山やキャンプをする人なら万が一トラブルにあった時の緊急連絡用として非常に有用なサービスです。
それ以外にも災害時の連絡手段としても優秀な可能性が高いですね。
auを利用している人もこれから乗り換える人も、いつでもau Starlink Directが使えるように設定しておきましょう。
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