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不動産テックの推進における「eKYCの重要性」とは?

株式会社レオパレス21 賃貸企画グループ マネージャー 黒田 博久さん

  • 導入サービス

    ID Checker

  • 業種

    不動産

  • 課題

不動産業とITを融合させる『不動産テック』を推進し、賃貸住宅管理業で初めてeKYCを導入したレオパレス21。

「駐車場契約」の手続きで必要となる本人確認をオンライン化させた効果や、先に見据える展望について話を伺いました。
不動産テックを進めるため、eKYC導入をはじめとする、お客様との手続きをオンライン化

—eKYC導入前の課題は?

 

レオパレス21では、法人顧客が寮・社宅として契約する際に“「部屋」は法人名義で契約し「駐車場」は必要な方だけ個人名義で契約”というケースでの駐車場契約が、月間1,000件程度あります。

 

このケースでの駐車場契約には、お客様から運転免許証を提出いただき、面談による本人確認が必要になります。

 

この本人確認のオンライン化という課題は兼ねてより抱えていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い「お客様の来店リスクを回避したい」という新たな課題が、システム導入を検討する際の後押しとなりました。

 

eKYCサービスを比較検討していく中でのポイントは?

 

比較検討は主に、①費用対効果 ②導入までのスケジュールの早さ ③データのマスキング対応 の3点を踏まえ、決定しました。

 

①費用対効果
「できる限りコストは抑えたい」と考えていましたが、金額面だけでなく、実際に撮影した画像が「求める水準に見合うか」という点も比較しました。結果的に『ProTech ID Checker』が、他社のサービスよりもコストパフォーマンスに優れていました。

 

②導入までのスケジュールの早さ
開発から導入までに2~3ヶ月を要するサービスが多い中で、時間がかからず、早期に導入可能な『ProTech ID Checker』は魅力的でした。

 

 

③データのマスキング対応
「駐車場」の契約手続きでは、本人確認書類は「運転免許証」が中心ですが、当社は将来的に「部屋」の契約手続きや本人確認もオンライン化することも見据え、拡張後も視野に入れた検討をしていました。
部屋契約の場合、本人確認書類が「保険証」や「パスポート」など多岐に渡ります。特に「保険証」を巡っては、2020年10月の法改正により、医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限の規定が設けられました。つまり「保険証の画像データをマスキングすることができるか」という点を比較検討の項目に追加したのです。

 

保険証のマスキングは、多くの企業で「対応できない」「対応した場合は手動で行います」と回答されることが多かった中、『ProTech AI Masking(※別サービス)』を活用することで自動的にマスキングできること知り、今後必要になりそうな機能を、検討段階で持っていた『ProTech ID Checker』を選択させていただきました。

eKYC導入によりスムーズになった社内業務

—eKYC導入後の効果は?

 

現状では、10%前後のお客様にオンラインで本人確認を実施いただいております。

 

法人名義で契約した「部屋」に入居される方は、鍵を受け渡しのためにご本人が来店されることが多く、「駐車場契約」のための本人確認を来店時にまとめて行うことがまだ多いため、効果は道半ばといったところです。

 

 

—一方で、社内業務はeKYC導入でスムーズになった点がありますか?

 

従来までは、法人顧客の「部屋契約」は“法人営業の窓口スタッフ”が担当し、その寮・社宅に入居する方の「駐車場契約」は“店舗スタッフ”が行っていました。そのため、手続きの異なるスタッフ間で、同一顧客のための引継ぎが発生しておりました。

 

しかし、eKYCを導入したことで“法人営業の窓口スタッフ”が「駐車場契約」までご案内をすることが可能になり、業務の一元化により、業務もスムーズに進むようになりました。

 

また、本人確認作業の省力化が実現できています。

 

お客様にアップロードしていただいた「本人確認書類の画像」と、アップロードの際に撮影する「本人容貌画像」が自動識別され類似率を算出してくれるので、その部分については社内手続きが簡素化できていると感じています。

 

—改善点などあれば、教えてください。

 

現時点であまり改善点などはありません。
オンライン本人確認を行う上での最大ポイントは「精度の高い自動識別が行われているか?」だと考えています。

 

導入から3ヶ月が経過した現在、eKYCで撮影された本人確認はすべて類似率が非常に高い水準でした。類似率が低かったケースは1件程度だったと思います。
今後、利用件数が増えていく中で、類似率の推移などから、自動識別の精度を見ていきたいと思っています。

不動産テックの一部を担う可能性のあるeKYC

—今後、不動産テックをどのように進めていく予定でしょうか?

 

2015年から法人顧客向けに「部屋の電子契約」を開始しオンライン対応を可能にしました。一方、個人顧客向けでは「店頭でのタブレット手続き」という形で電子化はできましたので“オンライン対応可能な「部屋の電子契約」”が次なる目標です。

 

不動産テックにおいて「駐車場契約」は、部屋の電子契約に向けた実証検証と位置づけております。2021年1月から段階的に開始したサービスの一環として、同年3月にeKYCを導入し、同年6月に「駐車場の電子契約」を開始させることができました。

 

今後、2021年の秋を目途に、個人顧客向けの“オンライン対応可能な「部屋の電子契約」”が実現できるよう実証検証を進めていきます。

 

 

—不動産業界でeKYCの今後は?

 

現在は「駐車場契約」の一部として導入し、まだ日も浅いため「どのような効果が出るか?」「どこに問題が生じるか?」といった点を検証している段階です。そのため「もう少し見定める必要があるのかな」と考えています。

 

ただし「ご入居される方をどのように本人確認するか?」という点は、アパートやマンションを長く管理していく中では非常に重要な点だと思っています。

 

不動産取引における本人確認は、トラブル防止の一環で行われるため、あくまでも個人的な意見となりますが、最終的に“精度が高くトラブル防止に役立つ本人確認”が快適にできるのであれば、『不動産テック』が推進・定着していく過程で、より多くの不動産業者の方にもeKYCが受け入れられていくのではないかと思っています。

 

 

—ショーケースのサービスに、今後期待することはありますか?

 

2021年6月に「駐車場の電子契約」を開始させたことで、今後eKYCの利用件数も増えていくため、まずは部屋の電子契約に向けた実証検証として課題を整理したいと思います。

 

また、2021年の秋を目途に開始する個人顧客向けの“オンライン対応可能な「部屋の電子契約」”の先には、いよいよ“部屋契約における本人確認のオンライン化”が次なる課題になってきます。他方、デジタル化関連法案の改正に向けた準備も必要となるため、様々な想定課題に対応したサービスの拡充に期待したいと思います。