グラフィックデザイナーは、クリエイティブでかっこいい、年収が高そうといった良いイメージのある、人気の職業です。
しかし一方で、そもそもグラフィックデザイナーはどんな職業なのか、仕事内容や必要なスキルな何かなど、分からないことも多いのではないでしょうか?
ここでは、グラフィックデザイナーの仕事内容や必要なスキル、年収や将来性について詳しく解説します。
未経験からグラフィックデザイナーになる方法も説明するので、興味のある方は必見ですよ!
グラフィックデザイナーとは|向いている人の特徴
始めに、グラフィックデザイナーとはどんな職業か、向いている人の特徴も含めてみてみましょう。
- 「商品のパッケージや広告、ゲームのキャラクターなどをデザイン」する人のこと
- 「モノの価値を視覚面から高める仕事をする人」とも言える
- 発想力や独自の感性がある人は向いている
- 見た目にこだわらない人は向いていないかも
グラフィックデザイナーは、私達が普段から目にするものを手掛ける魅力的な職業です。
そもそもグラフィックデザイナーとは
そもそもグラフィックデザイナーとは、「商品のパッケージや広告、ゲームのキャラクターなどをデザインする人」のことを指します。
例えば菓子のパッケージや駅に貼るポスター、ロールプレイングのゲームに出てくる主人公や敵キャラなど、グラフィックデザイナーが仕事の対象にする範囲はとても広くなっています。
菓子のパッケージやポスターであれば写真やキャッチコピーを効果的に配置して目を引きやすくし、食べたいと思わせたり伝えたいことを端的に表現したりします。
また、ゲームのキャラクターであれば「かわいい」、「かっこいい」、「ダークイメージ」など、それぞれ個性を持たせてより魅力的に仕上げます。
このように、グラフィックデザイナーは画像や文字、色彩などを駆使して見る人の興味を引くような見た目にデザインするのが仕事で、言い方を変えると「モノの価値を視覚面から高める仕事をする人」とも言えるのです。
グラフィックデザイナーに向いている人
グラフィックデザイナーに向いている人の特徴は、次の通りです。
- 発想力の豊かな人
- 独自の感性がある人
- 美的感覚の優れた人
- 向上心のある人
グラフィックデザイナーは、デザインに関する発想が豊かで独自の感性があり、美的感覚の優れた人が向いています。
なぜなら、人は見慣れたものに興味を示さない傾向にあるので、どこかで見たことのあるデザインでは意味をなさないことがあるからです。
また、自分が生み出したものでも常に同じではやはり飽きられてしまいますので、回を重ねるごとによりよくしていきたいという向上心も、とても大事です。
反対に、見た目にあまりこだわらなかったりアイディアを出すのが苦手という人は、向いていないかもしれません。
グラフィックデザイナーの仕事内容
次に、グラフィックデザイナーの仕事内容を確認します。
- 「雑誌の表紙」から「ゲームのキャラクター」まで幅広い
- Webサイトの制作・改善も行う場合がある
- 仕事はデザイン制作だけではない
- 「クライアントからのヒアリング」や「印刷物の納品」もある
グラフィックデザイナーは仕事の幅が広い、とてもやりがいのある職業です。
主な仕事の種類
グラフィックデザイナーの主な仕事の種類は、次の通りです。
- 雑誌の表紙や広告の作成
- チラシやポスター、パンフレットの作成
- ゲームのキャラクターや背景等の制作
- Webサイトの制作・改善
デジタル的なイメージの強いグラフィックデザイナーですが、雑誌やチラシ、ポスターなどの紙媒体への平面的なデザインがよくある仕事です。
また、商品の売れ行きを大きく左右するパッケージのデザインという仕事もあります。
さらに、ゲームのキャラクターや背景、特殊効果などをCGをはじめとした技術を駆使して製作する仕事もあります。
そして使いやすい、見やすいといった形を目指してWebサイトのデザインをする人もおり、区別してWebデザイナーとも呼ばれますが、大きなくくりではこれもグラフィックデザイナーの仕事です。
仕事の流れ
グラフィックデザイナーの主な仕事の流れは、次の通りです。
- クライアントへのヒアリング初めにクライアントの目的や要望、イメージを確認します
- デザイン案の制作ヒアリングをもとにデザイン案を製作します
- デザイン案の修正デザイン案をクライアントに見せ、修正を繰り返します
- デザインの納品クライアントのOKが出たら納品します
グラフィックデザイナーは、主に依頼主(クライアント)からの依頼を受けて仕事をします。
そのためまずはどんなデザインにするかを決めるために、クライアントの目的や要望、イメージなどをヒアリングします。
次に、ヒアリング結果をもとにはじめは大まかに、そしてだんだん詳細に、デザイン案を製作します。
その後クライアントにデザイン案を確認してもらい、修正を繰り返すことでクライアントのイメージに近づけます。
そしてクライアントのOKが出たら、紙媒体の場合には印刷会社にデータを入稿するなどして納品物を仕上げます。
このようにグラフィックデザイナーは、デザインの仕事だけでなくクライアントとのコミュニケーションや段階ごとの詳細なすり合わせがとても大事な仕事となっています。
グラフィックデザイナーに必要なスキル
グラフィックデザイナーになるためには、どんなスキルが必要なのでしょうか?
ここでは、グラフィックデザイナーに必要なスキルを確認します。
- レイアウトや文字体裁などの「デザインスキル」
- IllustratorやPhotoshopなどの「作成ツールスキル」
- クライアントやチームでの「コミュニケーションスキル」
その他、ゲームグラフィックデザイナーであればCGや3Dのスキル、WebデザイナーであればHTMLやCSS等のWeb系スキルが必要です。
デザインスキル
グラフィックデザイナーにとって最も大事なのは、「デザインに関するスキル」です。
デザインのスキルには、例えば次のようなものがあります。
内容 | |
---|---|
画像・イラスト | 最適な画像やイラストを選ぶ |
文字体裁 | 最適なフォントや文字の大きさ、行間などを選ぶ |
色彩 | 最適な色相、明度、彩度、配色を選ぶ |
レイアウト | 最適な全体の構成を作る |
作成ツールに関するスキル
グラフィックデザイナーは、ほとんどの場合でハンドメイドではなくパソコンなどでツールを使って作業をします。
そのため、作成ツールに関するスキルも必要です。
グラフィックデザイナーが利用する主な作成ツールには、次のものがあります。
- ロゴやイラストなどをデザインできる「Illustrator」
- 画像の編集ができる「Photoshop」
- 全体のレイアウトを作成できる「InDesign」
グラフィックデザイナーはツールを使って文字を書いたり画像を加工・編集して、その後それぞれを配置することで全体のレイアウトを作成します。
ちなみに、これら3つのツールはアドビ社のソフトで、グラフィックデザイナーのプロがよく使っています。
もちろんアドビ社以外のツールでも構いませんが、一般的によく使われているもののほうが、使い方に困った時や作業を引き継ぐ時などに苦労が少なくて済むので、おすすめです。
コミュニケーションスキル
グラフィックデザイナーに意外と大事なのが、コミュニケーションスキルです。
グラフィックデザイナーはクライアントからの仕事の依頼があって初めて稼ぐことができるので、クライアントとのやり取りはとても重要だからです。
例えば、クライアントのイメージを聞くヒアリングでは、相手の言いたいことを的確に把握できなければ仕事を得られないでしょう。
また、デザイン案の確認過程ではこちらの意図を正しく伝えられないと、多くの修正が入ったり、仕事のできない人という印象を与えてしまったりします。
その他、グラフィックデザインはチームを組んで作業を手分けする方式がよくとられるので、チーム内での意思の統一などにもコミュニケーションスキルはとても大事です。
このように、コミュニケーションスキルは多くの仕事を得るとともに、一つ一つをより良いデザインに仕上げるのに欠かせないスキルなのです。
グラフィックデザイナーの年収と将来性
これまでみてきたように、グラフィックデザイナーは自分のスキルとセンスで勝負ができるとても魅力的な職業ですが、一方で年収や将来性も事前にしっかりと押さえておきたいところです。
ここでは、グラフィックデザイナーの平均年収と将来性についてみていきます。
- グラフィックデザイナーの平均年収は「480.6万円」
- 一般的な平均年収よりも「40万円程度高い」
- フリーランスが多いので、年収にばらつきが大きい
- Web系・ゲーム業界でのニーズが今後も見込める
グラフィックデザイナーの年収は平均よりも高く、将来性はWeb系やゲーム業界で今後も明るいといえます。
グラフィックデザイナーの年収
厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによると、グラフィックデザイナーの平均年収は480.6万円です。
国内の平均年収は443万円なので、グラフィックデザイナーの年収は「平均よりも約40万円程度高い」と言えます。
なお、同サイト掲載のハローワーク求人統計データによると、求人賃金は25.4万円となっています。
ただしグラフィックデザイナーはフリーランスで活躍する人の多い職業で、年収1,000万円を超えて稼げている人もいれば平均年収を大きく下回る人もいるというように、年収のばらつきが大きくなっていることもしっかりと押さえておきましょう。
グラフィックデザイナーの将来性
イメージと少し異なりグラフィックデザイナーは紙媒体の平面的なデザインが多いと述べましたが、この面ではグラフィックデザイナーの需要は「縮小傾向にある」と言えます。
最近では雑誌は電子書籍に、ポスターはSNS広告などに置き換わりつつあるからです。
また、宣伝広告費の削減といった企業の方針も、大きく影響しています。
しかし一方で、ゲームのグラフィックデザインやWebサイトのデザインといった面では、需要が伸びているため高い将来性があります。
グラフィックデザイナーとはいえ、例えばゲーム分野ではCG・3Dをはじめとした各種技術が、Web分野ではHTMLやCSS、SEOといったスキルが必要になります。
ニーズに合った人材になるため日々スキルアップを心がけていけば、グラフィックデザイナーとして仕事を取り続け、高い年収を得ることは決して不可能ではないでしょう。
未経験からグラフィックデザイナーになるには
最後に、未経験からグラフィックデザイナーになるにはどうしたよいかを確認します。
- スクール利用は「挫折しにくい」、「効率的」がメリット
- スクール利用は「多額の費用が掛かる」のがデメリット
- 独学は「費用を抑えられる」のがメリット
- 独学は「挫折しやすい」、「時間がかかる」のがデメリット
スクール利用と独学で学ぶのは、それぞれメリット・デメリットがあるので、これらを踏まえて検討しましょう。
スクールを利用する
未経験からグラフィックデザイナーになる方法の一つ目は、スクールに通うことです。
もし社会人で仕事をしていても、オンライン形式で学べて通学不要のスクールは数多くあります。
このようなスクールでは個別の事情や都合に合わせてカリキュラムを作成してくれ、定期的なカウンセリングで途中の脱落を防止してくれます。
また、分からないことや今後のキャリア形成の不安などにも丁寧に対応してくれるため、短時間でスキルが身に付き、今後の方向性にも迷わずに済むため、とても効率的です。
ただし独学で学ぶよりも多くの費用が掛かりますので、家計と相談しながら検討しましょう。
独学で学ぶ
未経験からグラフィックデザイナーになる方法の二つ目は、独学で学ぶことです。
書籍やYouTube、解説サイトをフル活用して学びます。
一番のメリットは、スクール利用よりも費用を大幅に抑えられる点で、お金をかけずにスキルを身に付けたい人におすすめです。
一方でデメリットは、挫折しやすいことと時間がかかること、仕事に就きづらいことです。
分からないことを聞くことができないので途中で投げ出しやすく、手探りで学ぶので時間がかかります。
そして、スキルを身につけても経験がないため、すぐにグラフィックデザイナーとして活躍し始めるのは難しいです。
この場合はまずはアシスタントとして働き始め、経験を積むのがよいでしょう。
【まとめ】グラフィックデザイナーとは
以上、グラフィックデザイナーとはについて、仕事内容や必要なスキル、未経験からなる方法を解説しました。
グラフィックデザイナーは華やかで高収入なイメージがある一方、たくさんのスキルが必要で時代に合わせる向上心も大事な、大変な仕事です。
ただその分やりがいもあり、自分のスキルで勝負できる魅力的な仕事でもあります。
スクール利用と独学のメリットとデメリットを踏まえて、グラフィックデザイナーに必要なスキルをどのように身に付けるか検討してみましょう。
きっと活躍できる未来が見えてくると思いますよ。